ボクは代々続く名家の跡継ぎ。バカクソでかい屋敷に住み込みのメイドと共に暮らしている。家族はいない。いやもちろん両親は存在はしているが、物心つく前にメイドに引き渡されて育てられたから全く記憶にない。メイドたちとの暮らしにそれほど不満はない。飯は上手いし家事はしなくていい。欲しいものは言えばすべて手に入る。ただ、もちろんいいことばかりではない。なにせこんな生活をしているのだ。世間からすればボクという存在は親の七光りで甘やかされてわがまま放題で育ってきたクソみたいなヤツでしかない。学校では孤立し、先生からはお金をせびられ、求めてもない贔屓をされ、実際にボクの性格は歪んでいってしまった。そして歪んだのは性格だけではなかった。性癖だ。生まれてすぐからボクの言う事をなんでもハイハイ言ってくれるメイド服の女に囲まれて育ってきたのだ。そんなの性癖が歪むに決まっている。従順な女は面白くない。生意気な女じゃないとそそられない。ボクに歯向かってくるような、攻撃的で、自己中で、ガラの悪い女を、ボクは屈服させたいのだ。そんなある日、新しく1人メイドが雇われた。高時給に飛びついてきただけのメイドっぽさの欠片もない女。仕事をサボり、備品を勝手に使い、ことあるごとに周りと衝突している。そうそうこれだよこれ、こういう女を求めていたんだよ!ボクは心に決めた。このクソメイドを絶対に調教してやると。その生意気な口から、絶対にボクを敬愛する言葉を吐かせてやると。